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Author:ネコ
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二度目の決意

どうしてステキな男性っていうのは、既に他の誰かにとられてしまっているんだろう。

彼と出会ったのは3年前。
毎日デートする熱々の時期を超え、彼に奥さんがあることを知り、それから暫く苦しみ、大決意の末、大好きだけど別れた。

オトコというのは、不倫・浮気をするのが当たり前な生き物だと、あたしは思っている。

30超えて仕事も落ち着き、お金にもある程度の余裕が出てきたら、次は浮気相手を作って楽しむのが主流。

浮気は遊びで、本気じゃない。不倫男は家庭を手放す気はないのだ。

勿論、中には家庭を捨てて慰謝料払って恋人と結婚した人も居るけれど。
あたしの友達には、「もうすぐ離婚する」を信じてもう7年も待ち続けてる若い女が居る。

一時の感情に流されて青春を無駄にしたら、歳とって誰も貰い手がなくなった時に後悔するかもしれない。

そう決意して、頑張って別れを告げたのに、彼の「会いたい」の一言で関係は元通り。

彼と一緒に迎える3度目の夏。

妊娠。

今まで目を覆ってきたけれど、彼があたしのことを遊びにしか思っていないのは事実。

親の居ない子にしてしまうこと
一人で子供を育てていく大変さ
現実問題、子育てできる程の金銭的余裕が自分にないこと

大好きな人の子供を産みたい気持ちはいっぱいだけど、
やっぱりおろそうと思う。

彼の望みどおりだね。
人生を自分の思い通りに進めてきたオトコ。これからも彼の人生はきっと思い通りに進んでいくんだ。

別れよう。
今度こそ。

テーマ : 不倫 - ジャンル : 恋愛

病院

今日、彼と一緒に病院に行ってきました。


彼の言い分は
「子供ができたから一緒になるっていうのは仕方なくみたいで
あたしにも奥さんにも悪いからできない。
あたしと一緒になるにしてもこんなタイミングでは無理。
順番が違う。今回は処理すべき。
一つずつクリアしていこう。」

あたしと一緒になる気なんか無いくせに。口ばーっかり。



診察室に入って、パンツ脱いで、脚開いた。

赤ちゃんの形はハッキリしてて、にっこり笑ってるように見えた。

泣いて泣いて

医師の説明にもうなずくしかできなかった。

声出すと、泣き声になるから。わんわん泣いて、止まらなくなりそうだから。

涙ぜーんぶ出して待合室に戻ると、彼は泣いた跡のあるあたしの顔に少し驚いたようで(そういう風に見えた)、ずっと頭を撫でててくれたけど。

胎児が少し大きくなり過ぎてるようで、手術には2日かかるんだって。

1日目は子宮口を広げる器具入れてそのまま帰って、2日目に手術。




病院の後はデートに行きました。

イタ飯屋さんで夏野菜のピクルスと、ミネストローネと、ペスカトーレと、ケーキ頼んだ。
彼はホントはお寿司食べたかったみたいだけど。

それからドライブして、知らない道を見つけては「この道どこに繋がってんのかな」って遊んだりして。
大きな公園でちょっと遊んで、帰ってきた。

とってもとっても楽しくって、それで幸せだった。




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産婦人科

やっぱりあぁいう所に行くと、決意がぐらつく。

巨大なお腹を抱えた幸せそうなママや、赤ちゃんの泣き声、走り回る子供達を見てたら、どうしてあたしは産めないんだろうって、そればっかり。

産みたくて産みたくて産みたくて、羨ましくて、頭の中がそれでいっぱい。

だけど、ちゃんと冷静に考えなきゃ。
子供のため、自分のため、何が一番いい選択なのか。

「子供のため」ってトコを考えると、頭が痛くなってくる。
産まれてこないのが子供の為なわけはないだろう、とか。
産めばいいってもんじゃないんだ。その子の一生に責任が持てるのか、とか。
考えれば考える程、どっちが子供にとって一番いいのかわかんなくなってくる。

エコーで見た赤ちゃんは、極上の笑顔でニッコリ微笑んでいて、すごくかわいく見えた。

その赤ちゃんが、もうすぐ全部バケツの中に掻き出されて、死んでいっちゃうんだ。

とか、そんな事を考えていると中学時代からの友達から電話がかかってきた。

「もしもし?あんた妊娠してるでしょ。」
「私、超能力者だもん。知ってるよ。」
「嘘、嘘。本当は、私のお姉ちゃんがあんた、産婦人科で見たって。」

「辛いけど、頑張って。
次に赤ちゃんできる時も、同じ子だと思うよ。」

少し、救われた気がした。



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手術1日目

明日の手術に備えて、今日は子宮口を広げる器具を入れるため、病院に行ってきました。

同意書の理由の欄に何て書けばいいのか悩む彼。
悩め、悩め。

手術は激痛で、子宮がものすんごい痛くて、途中腕を噛みながら耐えました。

終わってみると、子宮だけじゃなくてお腹も痛い。とんでもなく痛い。
しかも気分悪いし、最近慢性になってる吐き気が悪化。

フラフラで帰宅して、暫く横になっていたけれど一向に落ち着く気配なし。

9時以降はご飯禁止なので、食欲ないながらも少しだけ食べておきました。
麺ならなんとか食べられる。

ワカメとオクラとゆで卵をのせて、ざるラーメン。

う゛ー、気分悪い。

「気分大丈夫?返信ないから心配してるよー。」って彼氏からメール。

ホントは側に居て欲しかったなぁ。

そういえば一度も聞いたことないと思って聞いてみました。

「産んだら認知してくれる?」って。

そしたら「結婚しないの前提に話してるな」って返事。

「あ、絶対そんな気ないと思ってた。ごめん。」って書いて送ったら返信がありません。

で、認知はする気あるのかないのか。はぐらかされた気分。

お腹痛い。


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手術最終日

手術が終わりました。

彼を待合室に待たせて、手術室に入ります。

先ずは右肩に唾液を止める注射を打ちます。
そして両手足を手術台にマジックテープで固定。
指にクリップを挟んで胸の辺りに3つシールを貼り、心電図を撮ります。
それから左手の甲に点滴を刺し、血管を固定。
少し待って点滴の針から血液収縮剤?を注入。
左腕にピリピリと痛みが走ります。
最後に、同じ針から麻酔剤を投入。

完全麻酔じゃないので、意識は残ります。
っていうか、痛い。

手術、痛い。
麻酔してるのに痛い。勿論、してなきゃとんでもない痛さなんだろうけども。

子宮の中を全部掻き出し終わると、看護婦さんに支えられながら自分で歩いて、隣のベッドに移動して横になります。

意識があるもんだから、普通に歩けるだろうと思っていたんだけど、身体起こそうとしても起き上がれなくてびっくり。

助けてもらいつつゆっくり起き上がります。
ベッドで横になって1時間近く寝ただろうか。
起きて、フラフラしながらスリッパ履いてトイレに行きました。

「起き上がれるの!?歩いてる!」って看護婦さんに驚かれました。

彼が待ってるし、早く戻りたくて、手術衣を脱いで着替えて看護婦さんに声をかけて手術室を出ました。

次は診察室で順番待ち。
子宮にカメラを入れて、中を見ながら説明を受けました。

「子宮の奥のこの辺が変に柔らかくて、傷つける恐れがあるので、あまりしつこく引っ掻かなかった為、膜が少し残っています。
次の診察の時にまだ膜が残っているようであれば、もう一度手術が必要になるかもしれません。」
とのこと。

次の診察は土曜日です。

手術が終わったからって、そんな直ぐに変わるもんではないハズだけど、お腹がどことなく軽い。
空っぽになった気がして凄く寂しい。

あっけないもんです。

今朝まで確かにお腹にいたのに、今はもう居ないの。

麻酔が抜けてみると、体調は良好。良好通り越して快調。
このところずっと悩まされていた吐き気も、気分の悪さも治まった。
なんと食欲も復活。

今でもまだ分からない。おろすことが正しい判断だったのかどうなのか。

正直、昨日・今日悩みながら手術を受けました。
血液収縮剤を腕に流し込まれている時も、今ならまだ引き返せるって。そんなことを考えていた。

おろすっていう決断は、ホントは自分のことしか考えてなくて、子供の為にはやっぱり産んだ方が良かったんじゃないかなぁって。

でも、それもやっぱり、産みたいっていうただの自分のエゴなのかもしれない。

考えれば考えるほど、どんどんどんどん分からなくなっていく。
直前になって、決意も考え方も何もかもグラグラ。

でも、冷静な時に判断した、おろすっていう決断を実行しました。今日。



あたしが妊娠してることを知ってる何人かに、手術が終わったことを報告メールしました。

あたし、人を1人殺したのに、誰も責めないの。
誰もあたしを責めないの。慰めの言葉をかけてくれるだけで。
変な世の中。

中学の時の担任だけは
「1人の命が世に生まれてくることができなかった重みを深く考えて、二度と同じ過ちを犯さないで下さい。」
って、一言添えてた。



今日初めて、中絶が罪なんだっていうことを理解した気がする。

今まで、中絶は1つの選択肢だと思ってたかも、あたし。



「どうしよう?なんて思う恋愛も最後にしなきゃ。
自分で気づかないと何も変わらないよ。」

「追伸。私があなたの母ちゃんだったら、超ー叱り飛ばしてたと思う。
その代わり、絶対おろさせなかったかも…。一緒に子育ての苦労を背負っていこうと思ったと思う。」


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うちの母には、言えなかったな。
妊娠してること。


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